チラコイドは「小袋のような」の意.葉緑体やシアノバクテリアの内膜系で,クロロフィルを含み光合成の電子伝達の場となっている扁平な膜胞.陸上植物では,グラナチラコイドとストロマチラコイドに分化している.その主成分は,脂質では,モノガラクトシルジグリセリド,ジガラクトシルジグリセリド,ホスファチジルグリセロール,スルホキノボシルジグリセリドであり,タンパク質としては光化学系Ⅰ複合体,光化学系Ⅱ複合体,シトクロムb6f複合体,ATP合成酵素などである.また,シアノバクテリアや紅藻はアンテナ色素として,フィコビリソームをチラコイド膜表面に持つ.通常は,葉緑体の包膜やシアノバクテリアの細胞質膜とはつなかっていない.