光化学系Ⅱの周辺部に位置し,クロロフィル,カロテノイド,脂質などを結合したタンパク質超分子複合体.真核の藻類や緑色植物の葉緑体チラコイド膜上に存在し,シアノバクテリアには存在しない(シアノバクテリアでは水溶性のフィコビリタンパク質が光化学系Ⅱのアンテナとして機能している).緑藻や高等植物では、最外殻に位置するペリフェラルアンテナが多数のLHCII(CP27)の集合体によって構成され,光エネルギー捕捉の主たる場として機能する.その内側には,よりクロロフィルa/b比の高いCP29, CP26, CP24 (それぞれ29, 26, 24 kDa の大きさをもつクロロフィルタンパク質の略)がインナーアンテナを構成する。さらに内側にはクロロフィルaのみを結合するCP43とCP47から成るコアアンテナが存在するが,これはアンテナ色素タンパク質複合体には含めないことが多い.珪藻や褐藻などでは、クロロフィルa以外にクロロフィルcやフコキサンチン等を結合したアンテナタンパク質が多数あり、FCP等を形成して働いている。アンテナ色素によって捕捉された光エネルギーは外側から内側の順にPSII反応中心に向かって伝達され,最終的に光化学系Ⅱ反応中心において化学エネルギーに変換される.