全電子の合成スピン量子数Sが1である電子状態.一対の平行なスピンをもつ電子(s=1/2, s=1/2)が,フントの規則により縮退した軌道に入った基底三重項状態の酸素分子や基底状態が一重項である有機分子の1つの電子がスピンを反転してより不安定な軌道に入った励起三重項状態がある.前者は,三重項エネルギー伝達により酸化力の強い一重項酸素に遷移する.後者は,リン光を発して基底状態へ遷移することができるが,スピンの反転が必要なので時間がかかる.