クロロフィルに吸収された光エネルギーは,最終的に光合成反応中心(→光化学系Ⅰ反応中心,光化学系Ⅱ反応中心)に存在する特殊な環境に置かれたクロロフィルの二量体に伝達され,そこで化学エネルギーに変換される.その特殊な環境にあるクロロフィル二量体を反応中心クロロフィルと呼ぶ.励起された反応中心クロロフィルはそのエネルギーを使って別の特殊な環境にあるクロロフィルもしくはフェオフィチンに電子を伝達し,その結果,自身は酸化型となる(→初期電荷分離反応).そのため,反応中心クロロフィルは電子供与体(→光化学系Ⅰ一次電子供与体)とも呼ばれる.すべての光化学系に存在し,それぞれ反応中心クロロフィルの酸化還元に伴う差スペクトルの長波長側極大波長値にPを付けて区別される.(→P680, P700,P740, P798, P840, P870など).