生育至適温度50~74℃の中度好熱性のシアノバクテリアが,主に各地の温泉から単離されている.これらは,次の2点で注目されている.タンパク質の多くは好熱性もしくは耐熱性で,生化学的解析に適している.特に,光化学系Ⅰ複合体や光化学系Ⅱ複合体では結晶化によるX線結晶構造解析に成功している.今後さらに他の膜タンパク質複合体や不安定なタンパク質の構造機能解析にも威力を発揮することが期待されている.無菌培養を必要とせず,増殖が速く,光合成生産への応用も注目されている.また,系統的に古い時期に分岐している.なお,2002年には,Thermosynechococcus elongatusのゲノム(約2.7Mb)が決定されている.