脱共役剤[uncoupler]

  別名アンカプラー.生体膜を介した*プロトン(H+)の電気化学ポテンシャル差を解消させる物質.H+の電気化学ポテンシャル差はH+濃度差と膜電位差から成るので,脱共役剤には(1)H+濃度差を解消するもの, (2)膜電位を解消するもの, (3)その両方を解消するものがある.その例として, (1)ナイジェリシン, (2)バリノマイシン, (3)FCCP (カルボニルシアニドp-トリフルオロメトキシフェニルヒドラゾン)などがあげられる.また,作用機構の面から,イオンを結合したものが膜内を拡散することによりイオンを運ぶキャリヤー型(上例のすべて)と,膜にチャネルをつくることによりイオンの電気化学ポテンシャル差を解消するチャネル型(グラミシジンA,アラメシチンなど)に分けられる.光リン酸化の脱共役剤として知られるNH3は,非解離型でチラコイド膜を自由に透過し,内腔(ルーメン側)でH+と結合することによりH+の有効濃度を下げATP合成を阻害する.


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Last-modified: 2020-05-12 (火) 04:46:03