非循環的電子伝達反応によって形成されるチラコイド膜内外のH+の電気化学的な勾配を利用して行われるATP合成反応という意味.非循環的電子伝達反応では,電子供与体(酸素発生型の光合成生物の場合には水)から電子受容体(NADP+)まで光化学系Ⅱと光化学系Ⅰを介して電子が伝達される反応に共役して,チラコイド膜内腔(ルーメン側)へのH+の輸送が行われる.こうして形成されたH+の電気化学的な勾配を利用して, ATP合成酵素がATPを合成する.光リン酸化の研究の歴史では循環的リン酸化のほうが先に発見されたが,光照射によってATPとNADPHが生じる詳細を研究したAmonによって1957年に報告された.