1951年にMehlerが見いだした反応で,単離葉緑体において酸素分子が光化学系Ⅰから電子を受け取り, H2O2を生成する反応のこと.葉緑体標品に混在してくるカタラーゼや葉緑体ペルオキシダーゼによるH2O2の分解反応をKCNやNaN3により阻害した条件下では,4電子の移動に伴い,光化学系Ⅱにおいては2分子の水の酸化で1分子の酸素が発生し,光化学系Ⅰで2分子の酸素が消費(還元)されることから,差し引き酸素の吸収が観察される.生理的条件下では,葉緑体やシアノバクテリア内で生成するH2O2はアスコルビン酸ペルオキシダーゼなどの反応でH2Oにまで還元される(→water-waterサイクル).この還元のための電子伝達反応に伴う酸素発生とメーラー反応による酸素吸収は相殺するので,water-waterサイクルによる見かけ上の酸素収支はゼロとなる.すなわち,メーラー反応はwater-waterサイクルの部分反応である。