アスコルビン酸の一電子酸化産物.セミキノン型のラジカルで,生理的pHではアニオンである(pKa=-0.45). pHに依存する自発的な不均化反応でアスコルビン酸とデヒドロアスコルビン酸になるが,この反応は比較的遅いため(中性付近でkd≒105 M-1s-1), 電子常磁性共鳴や紫外吸収(360 nm, ε=3.3 mM-1cm-1)により検出できる.アスコルビン酸が,酵素の基質となり酸化される際や,還元剤・ラジカル消去剤として有機ラジカル,活性酸素種,金属タンパク質,金属イオンなどと直接反応して酸化される際に生成することから,電子スピン共鳴で非破壊的に測定した生体中のモノデヒドロアスコルビン酸濃度は酸化ストレスの良い指標となる.植物ではモノデヒドロアスコルビン酸レダクターゼによってアスコルビン酸に還元される.葉緑体では光化学系Ⅰで還元型のフェレドキシンによって直接還元される.