光照射下でのみ葉に障害をもたらす除草剤で,その作用機作によって以下に大別される. (1)メチルビオローゲン(パラコート)など光合成電子伝達系で還元され,その自動酸化によるスーパーオキシド(O2-)の生成を促進する化合物.O2-に由来する活性酸素種が細胞に損傷を与える.(2)オキシフルオルフェンなどプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ阻害剤.クロロフィル生合成中間体のプロトポルフィリンⅨが蓄積し,光増感反応によって細胞に損傷を与える.(3)ノルフルラゾンなどのカロテノイド生合成阻害剤.カロテノイドが欠損すると,光照射で生成する三重項クロロフィル,一重項酸素が消去できず,葉緑体形成阻害により新生葉が緑化しないため成長が阻害される. (4)DCMUなど光化学系Ⅱ D1タンパク質のQB部位に結合する化合物.電子受容体QAからの電子伝達を阻害し,光化学系Ⅱ反応中心での三重項クロロフィル生成を促進する.