光化学系Ⅱの電子受容側で, DCMUの阻害部位より反応中心に近い側に存在する電子受容体.標準酸化還元電位は約400 mV (pH7)であり,pHに依存して電位が変わる(-60 mV/pH)ためその実体がキノンではないかと考えられたことからQ400と呼ばれた.現在, Q400は,光化学系Ⅱの電子受容側でQAキノン電子受容体とQBキノン電子受容体の間に位置する非ヘム鉄であることがわかっている.2価鉄として存在するが,3価鉄となったものは光化学系Ⅱにより還元される.しかし,Q400が電子伝達経路に直接関わっているとの証拠は得られていない.なお,光合成細菌の反応中心にも同様な位置に鉄が存在するが,この鉄は酸化還元を行わない.