盗葉緑体 [kleptochloroplast]

 盗色素体(kleptoplast)ともいう.細胞内に取り込まれて一時的(数日〜10か月)に保持され,光合成器官として用いられる外来の葉緑体のこと.葉緑体のもととなる取り込まれた藻類はふつう葉緑体を含むその一部のみが保持されるが,その核も保持されている例がある.盗葉緑体を獲得する現象は盗色素体化(盗葉緑体化 kleptoplasty, kleptoplastidy)とよばれる.葉緑体とは異なり,恒常的に維持されることはなく,最終的には消化され新たな取り込みが必要になる(子孫へは受け継がれない).有孔虫や放散虫,繊毛虫,カタブレファリス類,渦鞭毛藻,嚢舌目ウミウシ類などに知られる.取り込まれる藻類はそれぞれの宿主で特異性があるが,緑藻クリプト藻黄緑色藻珪藻などの例が知られる.一般的な細胞内共生とは異なるが,二次“共生”,三次“共生”による葉緑体獲得においては,盗色素体化のような現象が関与していた可能性もある.


Last-modified: 2015-03-23 (月) 16:35:54 (1727d)

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