シアノバクテリアと紅藻がもつフィコビリンタンパク質の一種で,フィコビリソームコア構造の主成分である.分子量1.6万~1.9万の2種のサブユニットα,βに,発色団フィコシアノビリンが1分子ずつ共有結合している.機能単位となる三量体(αAPC-βAPC)3では,単量体にはない650 nm の吸収極大(600nmの肩)と660 nm 付近の蛍光極大が現れ,さらにリンカータンパク質(LCまたはコアリンカータンパク質ともいう)との結合により長波長シフトする.アロフィコシアニン-B (αAPCB)やβ16.5はアミノ酸配列と分光特性が若干異なるサブユニットで,励起エネルギー移動に重要な役割をもつ.アンカータンパク質は,フィコビリソームコアのチラコイド膜への結合と光化学系Ⅱ反応中心のクロロフィルaへのエネルギー移動を担っている.アロフィコシアニンの結晶構造はプロテインデータバンクに登録されている(1B33).