半円盤状をしたフィコビリソームの中心部分の部分構造で,チラコイド膜上で光化学系Ⅱ反応中心と結合している.ロッド部分(フィコビリソームロッド構造)から送られてきたエネルギーが集められる部分であり,集められたエネルギーを光化学系Ⅱ反応中心にあるクロロフィルaに伝達する機能を有する.代表的なものは,棒状(円柱状)をした構造体(コアシリンダーともいう)3〜5本がその側面を互いに接するように結合して,そのうち2つの側面がチラコイド膜に接するように配置している.1つの棒状の部分構造は,主にアロフィコシアニン三量体から成るドーナツ状の構造(ディスクともいう)から構成されており,このドーナツ状構造4つが,それらの穴が連続するようにフィコビリソームリンカータンパク質を媒介にして形成されている.チラコイド膜に接している棒状の部分構造では,コアシリンダー1つ当たりアロフィコシアニンのαサブユニット2つとβサブユニット1つが異なる構造をしたものに置き換わっている.特に,そのうちのαサブユニットの1つはコアと膜をつなぐリンカータンパク質あるいはアンカータンパク質と呼ばれ,際立って分子量が大きく(6.5万~13万),光化学系Ⅱ反応中心へのエネルギー移動にも重要な役割を果たしているといわれている.