リコペンβ-シクラーゼ[lycopene β-cyclase]

 カロテノイド合成酵素.別名,リコペンシクラーゼ.EC5.5.1.19.遺伝子名crtY, crtL, crtL-b, lcy, lcy-b, cruA, cruPリコペンのΨ末端基を環化してβ末端基に変える酵素で,γ-カロテンを経由してβ-カロテンを生成する.陸上植物好気性光合成細菌緑色硫黄細菌,一部のシアノバクテリア,細菌で同定された.相同性のない2種類の酵素が知られている.好気性光合成細菌と細菌由来のcrtYと,陸上植物由来のcrtL, lcyには低い相同性がある.2種のシアノバクテリアSynechococcus sp. PCC 7942とProchlorococcus marinusはCrtL型の酵素を持つが,Synechococcus sp. PCC 7002と緑色硫黄細菌は上記と相同性のないCruAとCruP型の酵素を持つ.他のシアノバクテリアにもこれらの遺伝子に相同性がある遺伝子を持った種もあるが,機能を確認できないので,別の酵素が機能していると考えられている.従って進化の上で,細菌と陸上植物は相同性のあるリコペンシクラーゼを使っているが,中間のシアノバクテリアは別の酵素を使っているようである.

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Last-modified: 2020-05-12 (火) 04:44:19