光化学系Ⅰ反応中心では,光化学反応により電子は,一次電子供与体(クロロフィルaの二量体(P700))→一次電子受容体(クロロフィルa単量体:Chl a690, A0とも呼ばれる)→二次電子受容体(フィロキノン(A1))→*四鉄-四硫黄センター(FX,A2)→鉄硫黄クラスター(FAとFB)→フェレドキシン,と伝達される.電子受容体は当初,電子スピン共鳴などの測定からA0, A1,A2とその機能を表して命名されたが,後にその実体がクロロフィルaやフィロキノン,鉄硫黄クラスターであることがわかった.現在も両方の名称が使われる.同じ光化学系Ⅰ型のヘリオバクテリアと緑色硫黄細菌のホモダイマー型反応中心についても,同様の名称が使われる.しかし,ホモ二量体型反応中心でのキノンの役割は不明.