電子受容体プールサイズ[electron acceptor poolsize]

  光化学系の還元側で電子受容体として働く電子伝達体や酸化還元物質の量.光化学系Ⅱと光化学系Ⅰの間で電子運搬体として働くプラストキノン分子(プラストキノンプール)の量を表す場合が多い.励起光照射による光化学系Ⅱのクロロフィル蛍光誘導カーブから概算する.すべてのQAが還元状態にあるFm蛍光のレベルとQAキノン電子受容体(QA)のみが機能するDCMU存在下で測定した蛍光誘導カーブとの間の面積を一電子等量の標準として用い,Fm蛍光のレベルとDCMU非存在下で測定した蛍光誘導カーブの間の面積より受容体として働く成分の量を電子数として求める.シトクロムb6f複合体による還元型プラストキノンの酸化速度が相対的に無視できるほど小さくなるよう十分に強い励起光で実験を行う必要がある.一方,光化学系の酸化側で電子供与体として働く電子伝達体や酸化還元物質の量を電子供与体プールサイズと呼ぶ.プラストキノンプールは光化学系Ⅰからみると電子供与体プールである.光合成細菌や光化学系Ⅰの反応中心へ有機物から電子供与される場合,利用可能な有機物の量をさす場合もある.

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Last-modified: 2020-05-12 (火) 04:45:09