シアノバクテリアや植物葉緑体のチラコイド膜および根のプラスチドに存在し,還元型フェレドキシンによるNADP+の還元(NADPHの生成)に必要な可溶性酵素.次の反応を可逆的に触媒する.
2分子の還元型フェレドキシン + NADP+ + H+ ⇔2分子の酸化型フェレドキシン+NADPH
フェレドキシンに依存したシトクロムcの還元活性やインドフェノール色素などを還元するジアフォラーゼ活性をもつ.分子量は3.4万~3.6万.補酵素としてフラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)を1個を含み(非共有結合), 456 nm 付近にフラビン特有の吸収極大を示す.チラコイド膜では,光化学系Ⅰの還元側電子伝達経路の構成成分である.低イオン強度でフェレドキシンと複合体を形成し,共結晶構造も得られている.二量体を形成するといわれるが,その生理的意味は不明.