crr2 [chlororespiratory reduction 2]

 被子植物およびコケ植物では,葉緑体NDH複合体の活性 (フェレドキシン依存プラストキノン還元)の有無は,光照射後の一過的なクロロフィル蛍光の上昇として確認できる.この蛍光変化に注目して単離されたシロイヌナズナのNDH複合体を欠損する一連の変異体が,crr (chlororespiratory reduction)変異体である.crr2は,crr4変異株などとともに,NDH複合体を特異的に欠損する変異体としてしばしば生理実験に用いられる.crr2変異体は,葉緑体において配列特異的RNA結合を行うPPRタンパク質をコードする遺伝子に異常をもつ.その結果,rps7遺伝子の下流に5’末端をもつndhB遺伝子の成熟型mRNAを蓄積できず,ndhB遺伝子の翻訳が阻害されていると考えられる.CRR2が,rps7ndhBの間のRNA切断に関わるのか,切断を受けたndhB mRNAの安定化に関わるかは,明らかになっていない.CRR2は,RNA編集に関わるDYWドメインをもつPLSタイプのPPRタンパク質をコードするが,このサブクラスのタンパク質が,RNA編集以外の機能に関わるのは稀である.

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Last-modified: 2025-02-25 (火) 13:05:45