光合成生物のクロロフィル蛍光の収率を低下させるプロセスの内,光化学系Ⅱの還元型QAキノン電子受容体の再酸化によっておこる光化学的消光以外の原因で起こるものをさす.光化学系Ⅱの量子収率の低下を反映し,暗馴化した葉や葉緑体に強い連続光を照射したときなどに観測される.非光化学的消光の原因には, (1)光化学系ⅡのΔpHによる効率低下制御, (2)ステート1-ステート2遷移,および(3)光化学系Ⅱの光阻害がある.シアノバクテリアにおいては,このほか,オレンジカロテノイドタンパク質(OCP)によるエネルギー放散も非光化学消光として観察される. PAM蛍光法ではパラメータNPQもしくはY(NPQ),qNとして定量化される.