葉緑体NDH活性を欠損するシロイヌナズナcrr (chlororespiratory reduction)変異体の一つである (crr2を参照).葉緑体RNA編集に関わるEサブクラスのPLSタイプに属するPPRタンパク質をコードする遺伝子に異常をもつ.その結果,葉緑体NDH複合体のサブユニットをコードするndhD遺伝子の開始コドンをつくるACGからAUGのRNA編集を行なえず,ndhD遺伝子の翻訳が阻害されている.CRR4は,標的シチジンの脱アミノ化に関わるDWYドメインを欠くが,それを相補する様にDYW1というタンパク質を呼び込むことで標的を編集する.crr4変異株は,pgr5変異株と二重変異体をつくったときの表現型がcrr2変異株のものより穏やかで,ndhD遺伝子をわずかに翻訳している可能性が考えられる.そのため,NDHをわずかに蓄積する変異体として生理実験に用いられる場合がある.