クロロフィル-タンパク質複合体[chlorophyll-protein complex]

  クロロフィルを結合しているタンパク質の総称.“複合体”はしばしば省略され,単にクロロフィルタンパク質といわれることも多い.しかし,光合成色素系(アンテナ系)や反応中心においては,色素としてクロロフィルだけを結合しているタンパク質はなく,カロテノイドが必ず結合している.クロロフィルタンパク質は光合成反応系で光吸収,励起エネルギー移動,電子移動,過剰な光の散逸など,光物理,光化学反応で本質的な機能を担う.タンパク質は進化系統的に,反応中心とアンテナに2種類に分類できる.反応中心は,光合成細菌,酸素発生型光合成生物を通して共通の構造をもつが,アンテナ系は光合成細菌と酸素発生型光合成生物で大きく異なる.酸素発生型光合成生物では*LHCスーパーファミリーに属するタンパク質が機能している.結合するクロロフィルの種類は,クロロフィルaだけ,クロロフィルaとb,クロロフィルaとc, クロロフィルa,b,cという場合があり,それぞれ結合しているクロロフィルの名前をつけて呼ばれることもある.例として,クロロフィルa/bタンパク質.タンパク質と色素の結合は共有結合ではなく配位結合である.結合した色素は,アミノ酸側鎖から受ける電場,磁場,電荷などの影響によってその性質,特にエネルギー準位,酸化還元電位が変化を受ける.この結果,クロロフィルはタンパク質内で特定のエネルギー準位をもつことになり,それが複数存在するときにはクロロフィルフォーム(クロロフィルの型)が多数存在する,という.

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Last-modified: 2015-03-26 (木) 12:09:32 (1724d)

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