植物や細菌において芳香族アミノ酸(フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン)の生合成経路.植物ではプラスチドに局在する.維管束植物では光合成で固定された炭素化合物の30%がこの経路で代謝される.解糖系の中間体ホスホエノールピルビン酸とペントースリン酸回路の中間体D-エリスロース4-リン酸の縮合による3-デオキシ-D-アラビノ-ヘプツロソン酸7-リン酸(DHAP)の形成に始まりシキミ酸を経由しコリスミ酸の生成に至る経路が3つの芳香族アミノ酸生合成の共通経路としてシキミ酸経路を形成する.シキミ酸経路は,7つの酵素(DHAPシンターゼ,デヒドロキナ酸シンターゼ,デヒドロキナ酸デヒドラターゼ,シキミ酸デヒドロゲナーゼ,シキミ酸キナーゼ,5-エノールピルビルシキミ酸3-リン酸シンターゼ,コリスミ酸合成酵素)から構成され,このうち6番目の酵素5-エノールピルビルシキミ酸3-リン酸シンターゼは,除草剤グリホサートのターゲット酵素であり,除草剤耐性の遺伝子組換え作物の作出に利用されている.