フィコビリタンパク質の一種で,フィコビリソームロッド構造の先端部に存在する.シアノバクテリアのC-フィコエリスリンは分子量1.7万~2.2万のサブユニットα,βから構成され,フィコエリスロビリンがαに2分子,βに3分子結合し、その六量体ディスク(αPEβPE)6がロッドの構成単位である.吸収極大は565 nm,蛍光極大は577 nm である.紅藻類や一部のシアノバクテリアがもつR-フィコエリスリンはサブユニットα,β,γから成り,αにフィコエリスロビリン2分子,βにフィコエリスロビリン2分子とフィコウロビリン1分子,γにフィコエリスロビリンとフィコウロビリンが各2分子結合している.ただし,種により他の発色団への置換や発色団の数の増加がみられる.吸収極大は498, 540, 565 nm,蛍光極大は576 nm である.原始紅藻類にはB(b)-フィコエリスリン,クリプト藻には固有のフィコエリスリンが存在する.R-フィコエリトリンの結晶構造は,プロテインデータバンクに登録されている(1B8D).