EC2.7.2.3. 還元的ペントースリン酸回路構成酵素の一つで,ATPと3-ホスホグリセリン酸からADPと1,3-ジホスホグリセリン酸を生成する反応を可逆的に触媒する.反応の平衡は3-ホスホグリセリン酸生成に向いているが,還元的ペントースリン酸回路ではATPと3-ホスホグリセリン酸を基質としてADPと1,3-ジホスホグリセリン酸を合成する方向に反応は進む.ホウレンソウでのKm値は390 μM(ATP)と340 μM (3-ホスホグリセリン酸).pH 7.5あたりに高い活性をもつ.どの生物由来の酵素も分子量4.5万前後の単量体として機能する.植物には細胞質型と葉緑体型の2種類のアイソザイムが存在するが,全活性の約90%が葉緑体に局在している.特に強いアロステリックな阻害物質,活性物質ともに見つかっておらず,光による調節機構もない.高等植物の核にコードされる葉緑体,細胞質の各アイソザイムはシアノバクテリアの共生によって獲得されたとされている.