緑色硫黄細菌(PscA)とヘリオバクテリア(PshA)の鉄硫黄クラスターをもつ光化学系Ⅰ型反応中心は同一の膜貫通タンパク質から成る二量体(ホモダイマー)である.この中では膜面垂直軸を中心に対称位置にタンパク質,電子供与体クロロフィル二量体や2つの受容体クロロフィル,鉄硫黄クラスターX(FX)が配置されていると考えられている(反応中心は精製されているが,立体構造は未決定),光反応に伴う電子移動は両方を通ると考えられているが詳細は不明.構造の似ている光化学系Ⅰ型反応中心でも光化学系Ⅰはヘテロダイマー型なので,ホモダイマーからヘテロダイマー型への変化など,反応中心の起源や進化を考える上では興味深い.