個体群成長速度[population growth rate]

  ある空間に生育する同種個体の集まり(個体群)における,個体数の増加速度.出生と死亡のバランスで変化する.移入や移出を含める場合もある.個体当たり時間当たりの増加率である瞬間増加率(=出生率-死亡率)をrとすると,個体数(N)の変化はdN/dt=rN,時間tにおける個体数はN(t) =N0 exp (rt)(N0:初期個体数)で表される.増加率が一定ならば増加は指数関数的になるが,一般には個体数の増加につれて空間や資源が制限されるため,増加率は徐々に低下する.この様相はロジスティック曲線(dN/dt=rN(K-N)/K)でよく近似されることが多い.この場合,Kはその環境で維持できる個体数(環境収容力),rは個体数が少なく資源が十分であるときの増加率(内的自然増加率)と見なされる.様々な齡やサイズクラスが存在する個体群で,それらごとに繁殖率や死亡率が異なる場合は,行列モデルを用いてその動態を記述する.

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Last-modified: 2020-05-12 (火) 04:45:55