核様体[nucleoid]

  色素体DNA(葉緑体DNA)は,色素体の中では様々なDNA結合タンパク質とともにコンパクトな構造をつくっている.この色素体DNAとタンパク質の複合体を色素体の核様体(または色素体核)と呼ぶ.核様体は,色素体DNAの複製・転写・分配における機能的な単位となっている.核様体は,DNAに特異的に結合するDAPIやSYBR Green Iなどの蛍光色素による染色を施すと蛍光顕微鏡によって観察することができる.電子顕微鏡観察では電子密度が低く,まれに繊維状構造(DNA)を含む領域として観察される.被子植物の成熟した葉緑体の場合,核様体は葉緑体中に散在する多数の小顆粒(直径約0.2μm以上)として観察され,それぞれの顆粒の中には数コピーないし十数コピーの色素体DNAが含まれる.核様体の存在様式(形状や数,存在部位など)は藻類・植物の種によって大きく異なり,顆粒状で葉緑体の中央にある場合と周辺部にある場合,分散している場合,リング状に見える場合などがあり,さらに細胞周期や栄養環境によっても変わる。また,被子植物の場合には組織や葉の発達に伴う色素体分化の過程でも核様体の存在様式は大きく変化する.こうした核様体の存在様式は,色素体DNAの複製/転写機能と密接に関連して制御されているものと考えられているが,詳細は不明である.原核生物やミトコンドリアのDNA-タンパク質複合体も核様体と呼ばれるが,それぞれの核様体を構成するタンパク質は互いに異なる。

関連項目


Last-modified: 2015-03-23 (月) 16:35:08 (1727d)

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