温度馴化[temperature acclimation]

  植物が生育の準極限温度を経験することにより,細胞に生理的な変化が生じ,その結果,より優れた生育特性を現す現象.温度馴化には,高温と低温に対する馴化が知られている.高温に対する馴化では,高温による光合成活性失活の程度の軽減や個体の高温での生存率の向上がみられ,熱ショックタンパク質の発現など新規の遺伝子発現を伴うことが知られている,一方,低温に対する馴化では,0℃以上の非凍結の低温下での生育により,低温感受性植物では低温傷害が軽減し,また,低温耐性植物では凍結ストレスに対する耐性が向上する.後者の場合を狭義に低温馴化と呼ぶことが多い.低温馴化では,低温誘導性遺伝子など新規の遺伝子発現を伴うことが知られている.


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Last-modified: 2020-05-12 (火) 04:45:55