植物の光合成によるCO2固定の量または速度.総一次生産が主に群落以上のレベルを対象としているのに対し,総光合成速度は個葉・個体レベルでも使用することができる.実際に観察される光合成速度(純光合成速度)に暗呼吸速度を加えて求める.葉に光が当たっている間も暗呼吸速度が変化しないと仮定し,光合成過程のみの速度を表そうとしたものである.従来の研究では,光合成による炭素吸収をベネフィット,呼吸による消費をコストと考え,光合成に関わる性質の生態学的意義を解析するのに用いられた.しかし,暗呼吸速度は光の有無によって変化することが知られている.したがって,総光合成速度と真の光合成速度とは必ずしも一致しない.