葉緑体のタンパク質生合成の場となるリボソームは,大腸菌やシアノバクテリアのものと同じ70Sの沈降係数をもち, 30 S亜粒子と50 S亜粒子から成る.ホウレンソウの30 S亜粒子は, 16 SリボソームRNA(rRNA)と25種のリボソームタンパク質から成り, 50 S亜粒子は23 S, 4.5 S, 5 Sの3種のrRNAと33種のリボソームタンパク質から成る.リボソームタンパク質をコードする遺伝子は,葉緑体ゲノムと核ゲノムに分散して存在する. 葉緑体リボソームの働きはスペクチノマイシンやストレプトマイシンなどの抗生物質で阻害される。このため抗生物質耐性遺伝子を葉緑体ゲノムに導入した葉緑体の形質転換がタバコ、トマト、コケ植物などで行われている。