葉緑体DNAの複製は,核DNAの複製とは独立に活性化されうる.そのため,細胞当たりの葉緑体DNA分子数は細胞の増殖/分化過程や生理的条件の変化によって増減する.複製中間体の電子顕微鏡観察から,複製起点は環状DNA上に1~2個所あり,Cairns型(複製開始時にDループを形成する例あり)とrolling circle 型の両方の複製様式をとることが示唆されている.葉緑体のDNAポリメラーゼは核コードで、バクテリアのDNAポリメラーゼIのホモログである。植物では、同じDNAポリメラーゼ遺伝子の産物が葉緑体とミトコンドリアの両方に輸送され、両オルガネラのDNA複製に関与する.