植物や菌類などのミトコンドリア電子伝達系に含まれるNAD(P)H酸化酵素.50‐60 kDaの単量体で機能し,FADを結合している.NADHデヒドロゲナーゼ(複合体I)と異なり,ロテノンに耐性であり,プロトン輸送と共役せずにユビキノンへ電子を伝達することに大きな特徴がある.ミトコンドリア内膜での局在(マトリックス側もしくは膜間側),基質特異性(NADHもしくはNADPH),Ca2+依存性などに基づき,さらにいくつかのタイプに分類される.そのうちいくつかは環境刺激に応答した発現変化を示すことから,細胞内の還元力バランスの調節に寄与している可能性が考えられるが,その生理意義は十分には分かっていない.また、一部は葉緑体にも存在し,葉緑体呼吸や脂質代謝への関与が示唆されている.