緑藻類,ボルボックス目,クラミドモナス科の一属.2本の鞭毛を有する長径約10μmの単細胞緑藻.実験系としてはラインハーディ種(C. reinhardtii)が広く知られている.酢酸塩を炭素源として光従属栄養的に生育することができるため,特に光合成研究の材料として用いられることが多い.高等植物とほぼ同じ光化学系をもつ,有性生殖が可能である,生活環の大部分を単相で経過するなどの特徴のため遺伝学的手法の応用性が高く,歴史的に多くの突然変異株が蓄積されている. 1988年に,この緑藻が単一の大きな葉緑体をもつという特徴を活かして,最初の葉緑体ゲノムの形質転換が行われた.その後,核,ミトコンドリアの形質転換法も確立され,分子遺伝学が発達した.“緑の酵母”といわれ,植物細胞のモデルとしても扱われる.和名コナミドリムシ.