EC 1.4.4.2.ミトコンドリアに局在し,セリンヒドロキシメチルトランスフェラーゼとともに光呼吸グリコール酸回路の一部を担う.グリシンからの酸化的脱炭酸反応を司り,2分子のグリシンから二酸化炭素とアンモニウムイオンを放出することにより,1分子のセリンを生成させる.このグリシンからの二酸化炭素の放出は,ミトコンドリアの電子伝達系と共役している. P, H, T, Lと呼ばれる4つの酵素から成る複合体を形成して機能する.Pタンパク質は,分子量10万のホモ二量体で,グリシンデヒドロゲナーゼ(EC 1.4.4.2), Hタンパク質はリポ酸を含む分子量1.5万のタンパク質である.Tタンパク質は分子量4万のアミノメチルトランスフェラーゼ(EC 2.1.2.10). Lタンパク質はジヒドロリボイルデヒドロゲナーゼである.これら4つの酵素をコードする遺伝子群は光誘導性を示すため,グリシンの酸化活性は緑化組織で高く,黄化子葉や茎,イモなどの非光合成組織では低い.