ストレス[stress]

  Stringere (ラテン語)が語源で,外的または内的要因により最適条件から有意にずれた条件におかれた細胞あるいは個体にみられる抑圧された状態あるいは緊張状態をさす.ストレス要因には生物的要因と非生物的要因があり,後者はさらに物理的,化学的要因に分けられる.能動的移動能力をもたない植物にとって,ストレスは成長や分化,生産性を制限し,生存に関わる重要な因子である.ストレスを受けた細胞は遺伝子発現や細胞内代謝を大きく変化させ(ストレス応答),ストレスへの適応をはかる.植物が本来備えもつ耐性や適応能力をストレスの影響が凌駕すると,植物は慢性的に傷害を受け,場合によっては枯死する.逆に傷害をひき起こさない程度のストレスは馴化反応を誘導し,植物のストレス耐性を向上させる.光合成には強光,低温や高塩濃度条件など様々な環境因子が単独あるいは複合的にストレスとして作用し,その機能を阻害する.

関連項目


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Last-modified: 2020-05-12 (火) 04:46:17