Slack, C. Roger, 1937-.英国(Ashton-under-Lyne)生まれで,ノッチンガム大学農学部,ロンドンユニバーシティカレッジ生化学科で教育を受け,ノッチンガム大学でPh.Dを取得した.オーストラリア(Brisbane)の民間会社デビッド・ノース植物研究所でハッチと共同してC4ジカルボン酸回路の提案と確立に貢献した.特に,非水溶媒によりC4植物葉から2種の葉緑体を分離して14C光合成中間産物と酵素活性の分配を調べ,C4経路の葉肉細胞と維管束鞘細胞における分業を明らかにした.また,関連酵素活性の光活性化を見いだした.会社が基礎研究を停止したため(1970),ニュージーランド(Palmerston North)の理工学研究所(DSIR)植物生理部門に移る.G.Roughanと共同で植物不飽和脂肪酸の新合成経路を見いだし,膜構成脂質の合成には色素体の原核型経路と小胞体を経る真核型経路があると提案した(1979).その後,同国の応用研究重視政策に沿い麦芽品質改良などの研究を行っている.