ヘムオキシゲナーゼ[heme oxygenase]

  EC1.14.99.3.ヘムに酸素を添加することにより,テトラピロール環を開環し,緑色のビリベルディンIXα,Na2+,一酸化炭素を生成する酵素.動物ではヘムの分解酵素としてミクロソームに局在し, NADPH-シトクロムP450レダクターゼ依存的に作用する.一方,植物や藻類では,フィトクロム発色団およびフィコビリン生合成酵素としてフェレドキシン依存的に反応し(→フィコビリンの生合成),プラスチドをもつ生物ではストロマに局在する.基質であるヘムとヘム-酵素複合体を形成してヘムタンパク質様の挙動を示すこと,中間体としてヒドロキシヘム,ベルドヘム,ビリベルジン鉄鉗体を経ることは,動植物ならびに微生物由来の酵素とも共通であり,類似の反応機構であると考えられる.シロイヌナズナhy1,トマトyg2,エンドウpcd1,イネse5などがヘムオキシゲナーゼ欠損のフィトクロム発色団突然変異体として研究に利用される.

関連項目


トップ   編集 凍結解除 差分 バックアップ 添付 複製 名前変更 リロード   新規 一覧 検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2020-05-12 (火) 04:42:55