ベタイン構造をもった脂質の総称.ジアシルグリセロール骨格のsn-3位にトリメチルホモセリンがエーテル結合したもの(DGTS)が最初に発見されたベタイン脂質であるが,その後,その異性体であるDGTAなどが発見された.主に,下等植物や藻類に存在し,リン脂質の代わりとして働いていると考えられている.特に,緑藻クラミドモナスでは,ホスファチジルコリンがまったく存在せず, DGTSが主要膜脂質となっている.近年,根粒菌などの細菌でも存在が知られるようになった.メチオニンを前駆体として合成される.