酸素発生複合体に存在するマンガンクラスターのマンガン原子自体の酸化状態.クラスターに配位子を提供しているアミノ酸残基や基質水分子を含めた形式的な酸化状態をさす場合もある.酸素発生反応過程の各S状態により異なる酸化状態をとる.S状態の進行に従い,順次,高い酸化状態となる.酸素発生の反応機構の理解に必須の情報である. EPR信号やX線吸収端近傍構造の解析から各S中間状態の酸化状態は,S0:(Ⅱ, Ⅲ, Ⅳ, Ⅳ) ; S1 Ⅲ,Ⅲ, Ⅳ, Ⅳ) ; S2 : (Ⅲ, Ⅳ, Ⅳ, Ⅳ) ; S3 : (Ⅲ,Ⅳ,Ⅳ, Ⅳ or Ⅳ, Ⅳ, Ⅳ, Ⅳ)と推定されているが,異論もある.