植物(真核光合成生物)およびシアノバクテリアにおいて行われる酸素発生型光合成による酸素発生反応をさす.酸素発生型光合成では二酸化炭素を還元するための電子源として水を用いており,水は酸化された結果,酸素分子とプロトンとに分解される.プロトンはATP合成に利用されるが,酸素分子は大気中に放出される.酸素発生反応は光化学系Ⅱ複合体のチラコイドルーメン側に結合するマンガンクラスターにおいて行われる.初期電荷分離反応により生じるクロロフィル二量体P680のラジカルカチオンは極めて高い酸化還元電位を持ち,これを駆動力として水の酸化が起こる.光合成活性の指標として,時間当たりに発生した酸素量を用いることも多い。原始地球大気中にはほとんど酸素は含まれず,現在の地球大気の酸素濃度(約21%)は,およそ25億年前に現れたシアノバクテリアとその後に進化した植物の酸素発生によってもたらされたと考えられている.