光合成などで得られたエネルギーを用いて,外界のCO2を同化する作用をさす.多くの高等植物や藻類の光合成では, Rubisco (ルビスコ)によって捕捉されたCO2は,光合成電子伝達反応により得られたATPの存在下にNADPHによって還元的ペントースリン酸回路(カルビン回路)にて還元される.このような二酸化炭素固定系は,反応初期産物が3-ホスホグリセリン酸というC3化合物なので,C3光合成と呼ばれる.二酸化炭素固定系には他に,細胞内でHCO3の形でホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼによってC4化合物 にし, Rubisco近傍でC4化合物 を脱炭酸してRubiscoにCO2を供給するC4光合成やCAM型光合成を行う植物も存在する.化学合成細菌では, H2SやNH3の酸化により生じるエネルギーが固定されたCO2の還元に利用される.二酸化炭素固定還元反応に還元的ペントースリン酸回路を利用せず,フェレドキシン依存性アセチルCoA カルボキシラーゼによるCO2固定と還元的TCA回路による還元によって光合成を行う細菌も存在する.