光合成の律速[limitation of photosynthesis]

  光合成や成長など,その速度が何らかの原因によって制限されている様子を律速という.ある2つの条件,あるいは2つの葉の間で光合成速度が異なる場合,どのような原因で異なるかが解析の対象となる.同一の葉の光合成速度がどのように環境条件(光・温度・CO2 ・ 湿度など)に影響されているのかに着目する場合,広義には,ある条件の改善が光合成速度の増加をもたらすときに,その環境条件が「光合成を律速している」という言い方をする.また,その環境条件は律速要因と呼ばれる.ただし,この見方では,律速要因が同時に複数存在しうる.狭義には,光エネルギー,基質としてのCO2,光合成系における中間代謝産物の量(濃度)のうち,最も大きい光合成速度の改善をもたらす物質を律速要因と呼ぶ.さらに,その要因によって律速されている反応を律速段階と呼ぶ.たとえば,光強度が非常に低いときには光合成速度は光強度に比例し,光エネルギーが光合成速度を律速している.このとき律速段階はクロロフィルによる光吸収である.ある程度光強度が強くなると,光合成速度は光強度に依存しなくなり,光は律速要因ではない.このときの律速要因はCO2濃度であり,律速段階は多くの場合Rubiscoによる二酸化炭素固定反応である.同一条件で葉によって光合成速度が異なる場合は,律速段階の反応を担う光合成系構成要素(酵素など)の活性や量に違いがあると考えられる.

関連項目


Last-modified: 2015-03-23 (月) 16:33:22 (1724d)

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