光強度の減少直後から、光合成速度が直線的に減少し、数秒後に新しい光強度環境下での定常状態に落ち着く。この数秒間に、CO2が固定される現象のことをいう。この現象は、サンフレックなどの変動する光環境下でのCO2固定量の増加、葉の平均光合成速度の向上に影響する。NADPH、ATP、pmfなどの還元的ペントースリン酸回路の中間体プールによって駆動するため、CO2固定量は暗期前の光合成速度が高いほど増加する傾向がある。また、光照射後暗期二酸化炭素固定は、様々なCO2濃度でCO2受容体のリブロース1,5-ビスリン酸プールとよく相関し、リブロース1,5-ビスリン酸プールの推定に利用される。光強度の変化過程にともなう積算光合成量の推定において、光照射後暗期二酸化炭素固定の影響を考慮に入れないことがある。しかし、積算光合成量における光照射後暗期二酸化炭素固定の貢献は、サンフレックの長さと頻度に強く関連し、光強度が素早く変化する環境で大きいことが知られている。