核遺伝子のプロモーター[nuclear gene promoter]

 RNAポリメラーゼによる転写開始に必要なDNA鎖上の領域をプロモーターと呼ぶが,核ゲノムにコードされているタンパク質遺伝子の場合,一般には転写開始点周辺から上流300塩基対くらいまでの領域をさす場合が多い.このプロモーター領域は,その機能によって,転写開始点周辺のコアプロモーター領域(転写開始点を+1とすると-40から+40くらいの領域)と,その上流にある調節プロモーター領域に分けることができる. RNAポリメラーゼが転写を開始するにはまず基本転写因子と呼ばれるタンパク質群と会合して高分子の転写開始複合体を形成する必要があるが,コアプロモーターはこの転写開始複合体を転写開始点近傍に固定する役割をもち,転写開始の位置や方向を決定する.コアプロモーターは多くの場合,TATAボックス(転写開始点の25~30塩基ほど上流にあるTATAAA配列)やイニシエーター(転写開始点周辺のピリミジンに富んだ配列)などのコンセンサス配列を含んでいるが,光合成遺伝子ではそのようなシス配列をもたない例も多くみられる.調節プロモーター領域には一般に多数の調節シス配列があり,多様な転写調節タンパク質(転写因子)の結合部位となる.これらの転写因子はコアプロモーター領域の転写開始複合体と相互作用することにより,転写開始の効率を調節する.光や植物ホルモンなどの誘導シグナルに応答する調節シス配列を応答因子(responsive element)と呼ぶ.

関連項目


Last-modified: 2015-03-23 (月) 16:35:08 (1795d)

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