窒素欠乏[nitrogen deficiency]

  土壌根圏中の可給態窒素量が植物の需要量を下回る状態が続くと,植物は窒素欠乏状態に陥り,様々な徴候が生ずる.代表的なものにクロロフィル含量の減少,アントシアニンの蓄積, Rubisco含量, RNA含量の低下,形態的な徴候では地上部の生育抑制と地下部の発達促進(シュート/ルート比の減少),栄養成長から生殖成長への転換などがあげられる.窒素は易動性の元素であるため,欠乏症状は古い組織から現れる.植物のなかには葉の液胞中に大量の硝酸イオンを蓄積するものがあり,窒素欠乏症状を呈するまでの時間は植物種により異なる.一方,シアノバクテリアは,窒素欠乏状態では黄色を呈するようになるが,これは光捕集アンテナタンパク質(フィコビリン)を分解して他のタンパク質の合成に充てるとともに,光エネルギーの吸収量を減らし,長期的窒素欠乏に耐えるための積極的な適応過程であることが知られている.

関連項目


Last-modified: 2015-03-23 (月) 16:36:12 (1794d)

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