遅延発光ともいう.電荷分離状態のような準安定状態に一度エネルギーが保持され,その後電荷再結合により放出されたエネルギーが光として放出される現象をいう。光合成系においては,光化学系Ⅱでの電荷分離により生じた,光化学系Ⅱの還元側の電子と,酸化側の正孔の間の電荷再結合により光化学系Ⅱ反応中心が再励起され発光する.その発光スペクトルはクロロフィルaの蛍光スペクトルに一致するが、準安定状態を経由するため,発光の寿命は長い.光照射停止直後から分のオーダーに至る時間領域で発光が観察されるが,特に光照射停止後数ミリ秒の間に観察される成分はチラコイド膜を介した電場形成を反映することが知られている.