TCA回路[TCA cycle]

  脂肪酸のβ酸化やピルビン酸の酸化などで生じたアセチルCoAを水と二酸化炭素に分解する酸化的過程. tricarboxylic acidcycleの略記.この回路で生じるNADHFADH2はミトコンドリア電子伝達系と酸化的リン酸化を経てATPに転換される.図のように8段階から成り,1回転すると1 mol のアセチルCoAから3 mol のNADH, 1 mol のFADH2, 1 mol のGTP, 1 mol の二酸化炭素が生じる.コハク酸デヒドロゲナーゼ(複合体Ⅱ)以外の酵素はミトコンドリアマトリックスに存在し,複合体Ⅱはミトコンドリア内膜に存在する.植物ではTCA回路の基質としてピルビン酸のほかにリンゴ酸が主に使われる.ミトコンドリアに運ばれたリンゴ酸はNAD-リンゴ酸酵素によって二酸化炭素とピルビン酸に変換されTCA回路で酸化される. TCA回路の各中間代謝産物は各種生合成経路の出発点となる.

TCA cycle.png

関連項目


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Last-modified: 2020-05-12 (火) 04:45:51