TIC

 translocator of the inner envelope membraneof chloroplast の略.葉緑体タンパク質の大部分は核ゲノムにコードされており,細胞質ゾルで合成された後,タンパク質自身に書き込まれた局在化シグナルに従って葉緑体に移行する.葉緑体タンパク質の包膜透過は,外包膜のトランスロケーター(膜透過装置)であるTOCと内包膜のトランスロケーターであるTICによって担われる.TICの構成因子の候補としては、歴史的にはTic110, Tic40, Tic22,Tic21, Tic20などのタンパク質が見い出されてきた.このほかTic62,Tic55,Tic32が葉緑体の酸化還元状態とリンクして輸送を制御する因子として提唱されているが、サポートする実験データは殆どない.
 Tic40とTic110が、当初、TIC の中核として解析の中心であった。一方、Tic20は内包膜の内在性膜タンパク質で,包膜透過途上の葉緑体タンパク質との直接の相互作用が多くの研究室で確認されることから輸送チャネルの中核タンパク質であると予想されていた. 最近、シロイヌナズナからTic20を含む分子量約100万の複合体が単離精製され、その全構成因子が同定されている。そしてこの複合体がTOC複合体と協同的に葉緑体タンパク質の包膜透過を行なっているTIC複合体の実体であるという事が証明されている。明らかにされたTIC複合体は、Tic20以外にTic56,Tic100という必須因子、さらにこれまで機能が未知であった葉緑体ゲノムコードの必須タンパク質Ycf1(Tic214と命名)も含む事が判明している。Tic22は内包膜の表在性膜タンパク質で,膜間部側に位置しており,TOCとTICの相互作用を媒介する可能性が考えられている.Tic21は、TIC複合体と弱く相互作用している事が知られているが、その具体的な機能は不明である.

関連項目


Last-modified: 2015-03-23 (月) 16:26:58 (1725d)

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