TOC

  translocator of the outer envelope membraneof chloroplast の略.葉緑体タンパク質の大部分は核ゲノムにコードされており,細胞質ゾルで合成された後,タンパク質自身に書き込まれた局在化シグナルに従って葉緑体に移行する.葉緑体タンパク質の包膜透過は,外包膜のトランスロケーター(膜透過装置)であるTOC,内包膜のトランスロケーターであるTICによって担われる.エンドウのTOCはTocl59, Toc75, Toc34などのサブユニットから構成されている.このほかToc64が4番目のサブユニットであるとの報告もある.
 Toc75は葉緑体タンパク質が通過するためのチャネルを構成する主成分であると考えられている.Toc159とToc34はGTP結合タンパク質で,葉緑体タンパク質の包膜への結合のステップにおいて,トランシットペプチドなどに書き込まれた局在化シグナルの認識に関わるのではないかと考えられている. Toc34の結晶構造によれば, Toc34は二量体を形成し,互いにGAP (GTPase activating protein)として働くことが示唆されている.シロイヌナズナにはエンドウToc34ホモログとして, Toc34, Toc33の2つが存在する. Tocl59はN端側から,酸性アミノ酸に富んだ領域, GTP結合モチーフを有する領域,膜貫通領域を含むC端側領域から成り,N端側ドメインを細胞質ゾルに突き出したトポロジーをとる.

関連項目


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Last-modified: 2020-05-12 (火) 04:43:05